Doriブログ

楽しいディベートの世界の感想をなんとなく書き綴る

中高生ディベーターの揉めるパターンと対策

論題発表を目前に控え、また地区によっては参加登録締め切りが迫っていますね。

ディベートはシーズンを通して準備する必要がありますから、チームで目標を共有して、そこに向かって走っていきたい訳ですが、これがそう簡単なことではありません。

揉めるときというのは、どちらも自分が正しいと思っているのですから、とりあえず相手の言い分を理解するところから始めましょう。自分が100%折れる必要はないですが、相手が半分折れるなら自分も半分折れるくらいの気持ちは必要です。

 

揉めるパターン

勝ちたいと思っているかどうか

勝てなくてもいいや、と思っている人は存在します。そういう人は、勝ちたい人にとっては居るだけでイラっとくると思います。でも、この種の人は「楽しくやりたい」とか「高校生らしいことがしたい」と思っている可能性があります。つまり、「勝ちたいと思っている自分がやることは正しい」と思い込み、色々と一人でやってしまって、結果としてチーム全体として楽しくないということが発生しているのかもしれません。誰かの家やファストフード店で準備してみたり、みんなで集まってリンクマップを書いてみたり、お揃いのユニフォームを作ってみたり、楽しむ余地はあるものだと思います。

 

実力の差・準備の偏り

本をたくさん読める人、立論を作るのが上手い人、反駁を作るのが上手い人、それぞれ違うので、偏りができてきます。そして、たくさん準備をしていて、試合展開を考えている人は、次第に想定通りに議論を回してくれないチームメイトにイラついてきます。これに対する明確な解決策は今の所思いつきません。私も何度もイラつきイラつかれるのを繰り返して今に至ります。こういう時こそ、コーチ、地区のスタッフの出番だと思います。例えば、上手いこと応答してくれない立論者がいたとします。これに二反の議論を作っている実質的なリーダーが何度も怒ると、次第にお互い嫌になってきます。そういう損な役回りは大人に任せてしまうのです。そして、むしろ二反は立論者を励ましたり、答えにくい原因になっているところを一緒に直したりする、というのが理想だと思います。

 

議論の趣味が合わない

これはお互いが頑張っているが故に起こることです。お互いに考えているから、相手の議論に納得ができない訳です。趣味が合わない、それはもう仕方がないので、「二反が回せるものを選ぶ」「肯定と否定で決めてお互い口を出さない」「練習試合で両方使ってみて、勝率で決める」などが結局は多いと思います。

 

単純に仲が悪い

普通に嫌い、というのはあります。仲が悪くても決勝戦まで行くチームもあります。仲がいい方が、コミュニケーションを取りやすくていいですが、嫌いなものは仕方がありません。嫌いな人ともそこそこうまくやってください。

 

 

大人の役割

とりあえず話を聞く

とりあえず話すがまま、なんでも聞きます。議論の話がしたければその話をしてきますし、全然関係ない話がしたければその話をしてきます。揉め事に関しては中立かつ否定しない、というスタンスが良いかと思います。

 

熱意に対してあまり口を挟まない

どんな熱意でも、それに応じた学びがあるのがディベートの良いところだと思います。別に「全国大会に出よう」とか「全国優勝しよう」という目標があることが正しいわけではありません。「始めたばかりだから1勝できたらいいな」でも良いわけです。大人が選手の熱意をはるかに超えて、準備はどうしろ議論はどうしろなどと言い始めると、正直うざいです。選手内でさえ揉めることなので、そこに対して明確なメソッドがない限りは選手に合わせる方が良いです。

 

損な役割を引き受ける

大人が出しゃばる時は、損な役回りを引き受ける時です。要するに、あいつをチームから外せとかなったときに、客観的にジャッジに意見を聞いてみようというに招集されます。

残念ながら私たちも、チーム決めに対して常に正しい判断ができたわけではありません。あの判断は間違いだった、あの大人のせいで負けた、と言われる覚悟は最初からあります。それが慢心が招いたのであれ、無能が招いたのであれ、その覚悟がないのなら、メンバー選抜だけでなく議論へ口を挟まない方がよいでしょう。

とまあ散々若いスタッフを脅してしまいましたが、結局は自分がしてもらったことをしていけばよいと思います。

 

こういう揉め事をこうやって解決したよ!という方はぜひコメント欄にお願いします。