始まらないデータ分析プロジェクトが始まる5つの質問
データ分析プロジェクトを始めたいというところは多くあります。
展示会にも行き、ベンダ選定をしているにも関わらず始まらないのはなぜでしょう。
そこで、今回はデータ分析プロジェクトを始めるためにしておく5つの質問を挙げます。
- 分析をしたいと思うきっかけになった出来事はありましたか?
- その時どういう対応をしましたか?
- その対応のどの部分を変えたいですか?
- その対応は効果がありましたか?
- これまでにデータ分析のプロジェクトをしようとしたことはありますか?
- おわりに
分析をしたいと思うきっかけになった出来事はありましたか?
分析の目的として、利益の最大化や業務の効率化を図りたいというのは聞かずとも誰もが思っていることです。それを具体的に分析していくためには、「これが出来ていないからダメなのではないか」という仮説が必要です。ただ、「仮説はありますか?」と聞いても、人々は仮説という概念で世界を捉えていないため分かりません。
逆にこのきっかけになる出来事がないのに、漫然となにかいいことができるんじゃないか、と思っているだけだとプロジェクトは進みません。何より、それは現状の業務に特に問題を感じていないということです。仮になんらかの分析を出しても、驚くような効果は見込めないでしょう。
しかし、きっかけになる出来事がすぐに浮かんでこなくても根気強く聞いてください。例えば、「新商品の類似品を過去に出しているはずだが、その時の売上を見ることができなかった」「機械が故障するタイミングが分かれば営業しやすいはず」などです。ここまでブレークダウンさせることが分析プロジェクトを始めるファーストステップです。
その時どういう対応をしましたか?
問題となる出来事に対して、その時なりに手を打ったはずです。
ではそれは、どこにあるどういうデータを見ることにしたのか。それがexcelでも紙の資料でもホワイトボードに日々書いている数字でもいいです。どういう指標を使って、どのように判断したのかが、データ分析で重視したい指標になります。
それが蓄積できているのであれば分析を始められますし、蓄積できていないのであれば、蓄積するというプロジェクトが始まることになるのです。
その対応のどの部分を変えたいですか?
言われてみれば変える必要がないな、ということなら、わざわざコストをかけてデータ分析プロジェクトをしなくても良いのです。当然効果を感じてもらうこともできません。
どう変えたいかで分析の方向性は大きく変わってきます。データ分析は、レポーティングとシステム構築に大きく二分されます。つまり、分析者に望むこととして、定期的に分析した結果を報告書にして欲しいのか、分析結果を常時見られるシステムを構築して欲しいのかということです。データ分析企業を選ぶときも、どちらをやって欲しいのかによって会社も契約もプロジェクトの進行も全く異なるものになるでしょう。
これが、仮説に対する今望んでいるデータ分析の形です。
一つ注意してもらいたいのは、「こういうグラフならいいんじゃないか」「こういう仕組みにしたらいいんじゃないか」というところまでは聞かないでください。細かい形式や仕組みこの段階で決めてしまうと分析者が本来発揮すべき専門性を狭めてしまいます。
その対応は効果がありましたか?
効果がなかったというなら問題です。前述の何も対応ができなかったという場合も同じです。
その効果は何で測ったのか、どれくらい効果があったのかがこの質問で分かります。効果があったかどうか実はうまく測定する術を持っていないということもあります。これも課題の一つとして認識し、プロジェクトの中で効果をどのように測ればよいのか決めていく必要があります。
十分な効果があったのなら、3つ目の質問にまた戻ります。効果があったのにどこを変えたいのかを詳しく聞いていきます。
これまでにデータ分析のプロジェクトをしようとしたことはありますか?
今までのプロジェクトが進まなかった理由を聞いていきます。どこまで進めたのか、どこでやめたのか、なぜやめたのか。その時の資料をもらえれば具体的に検討することもできます。
今回のプロジェクトが同じ理由で頓挫しないための布石です。
これまでの失敗したプロジェクトを最低限超えなければ、今回のプロジェクトも進めることはできません。
おわりに
いくつか課題が出れば、同じ仕組みで解決できるかできないか、優先順位はどうするかなど考えることができます。一つでもいくつでも良いですが、全てを一度に進められるわけではないことも気にしておきましょう。
以上紹介してきた質問は、決して参加者を責めることなく、あくまで建設的な意見出しとしてくれぐれも注意して行ってください。