Doriブログ

楽しいディベートの世界の感想をなんとなく書き綴る

不適切引用はすぐそこにある(フェイクニュース論題)

著者の意図を捻じ曲げる引用は、すごく簡単にできてしまう。

それを自覚して、ちゃんとチェックしようという話です。

フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』作家(サイバーセキュリティニュースサイト設立者)一田 和樹(いちだ かずき)2018.11.10 p4

フェイクニュースと聞いて、ほとんどの人はネット上のねつ造されたニュースや情報を思い浮かべるだろう。そして、そういうものがSNSを通して拡散し、社会に悪影響を及ぼしているのだろうと想像するだろう。その対策は個々人の情報リテラシーをあげるとともに、しかるべき期間がファクトチェック(事実確認)を行って真偽判定をすること。フェイスブックツイッターなどのSNS提供者側もファクトチェックに対応した規制を行うことが望ましい。そんな感じだろう。ある面では正しい。ある面と制限したのは愉快犯やアクセス稼ぎ(あるいはアフィリエイト収入)目的だけを対象にするのなら、効果がありそうという意味だ。しかし、現実のフェイクニュースにはもっと広い範囲でさまざまな人々が関わっており、組織的に世論操作を仕掛けられていることも少なくない。」

こんな感じの資料があります。

著者の意図はどれですか?

1、事実確認の規制は望ましい。

2、事実確認の規制は絶対に行うべきではない。

3、事実確認の規制も効果の出ない部分があるので望ましいとは言えない。

 

はい、正解は3ですね。

 

しかしこれ

フェイクニュースと聞いて、ほとんどの人はネット上のねつ造されたニュースや情報を思い浮かべるだろう。そして、そういうものがSNSを通して拡散し、社会に悪影響を及ぼしているのだろうと想像するだろう。その対策は個々人の情報リテラシーをあげるとともに、しかるべき期間がファクトチェック(事実確認)を行って真偽判定をすること。フェイスブックツイッターなどのSNS提供者側もファクトチェックに対応した規制を行うことが望ましい。

ここだけ引用されたらどうですか?1ですね。

これはもう著者の意図を捻じ曲げちゃってます。

要するに、中略をしていいかどうか、というような形式的な話ではありません。

文意を損なうこと、これがダメなんです。

 

こういう引用をしたら、吊し上げられると思うので、気をつけてください。