論文検索CiNiiを使おう
一昔前と違って、今はgoogleで調べるとネットニュースとかまとめサイトとか、誰が書いているのかよく分からない情報が先頭に出てきたりして、むしろ専門的な情報にたどり着くのが面倒になっているともいえます。
CiNiiは論文検索サイトで、論文だけが検索できます。
使い方をざっくり説明します。
1、フリーワードにキーワードを入れる。
2、一覧を作る(エクセル操作とかが苦手なら飛ばしてもいいです)
検索結果の下に、すべて選択、選ぶところ▽、実行ボタンがあります。
選ぶところ▽で「TSVで表示」を選択して実行ボタンを押します。
TSVはタブ区切りのことで、これはエクセルで開くといい感じに表になる形式です。
3、とりあえず今すぐ論文をよみたいなら「本文あり」
「本文あり」を選択して検索すると、Web上で読めるものが表示されます。すぐに読みたいときはこれをとりあえず読みます。
4、図書館で雑誌をコピーしてくる
2で作ったリストを持っていってもいいし、1の検索結果をそのままプリントアウトしてもいいと思います。
大事なのは、図書館で請求しやすいように「刊行物名:五十音順」で表示しておくことです。
とりあえずやってみてください!
wikipediaとかまとめサイトとか知恵袋とか、そういう情報に踊らされている時間はないです!
不適切な証拠資料引用を防ぐ資料集の作り方(タクシー論題)
論題が発表されたので、具体的に資料集の作り方によって、少しでも正しく証拠資料を使うための資料集作りのポイントをまとめました。
資料集を作ろう
まず、みなさん資料集作ってますかーという話から。
資料を発見してPDFの形式や印刷した状態は、最終的に証拠資料を正しく使うためには良いことですが、必要なことだけ抜き出して使いたいディベートにとっては、資料を要約して置いておく必要があります。
資料集があると、検索もできるしとっても楽です。
今回は「タクシー 規制」で上の方に出てきた下記の資料を例に説明していきます。
[e001]
一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会 最終アクセス日:2019.3.3
http://www.taxi-tokyo.or.jp/qa/entry.html
「2002年(平成14年)にタクシーの数量規制が廃止され、それまでの諸条件は以下のように大幅に緩和されました。
1.認可制から → 事前届出制
2.最低保持台数の緩和/60台 → 10台に
3.営業所および車庫/所有から → リースに
4.導入車両/新車から → 中古車で可に
・参入条件が大幅に緩和された結果極めて簡便に参入が可能となり、一台あたりの負担コストが激減し誰でも安直に参入できる事業となった結果短期間にタクシー車両は6,087台と大幅な増加となりました。特に、とりあえず10台規模で新規参入した事業者が経営効率向上のため、その後現在まで大幅に増車してきたのが実態であります。
・タクシーは世界の主要都市のほとんどが、総合的な都市交通政策面から捉え、何らかの形で規制政策の中にありますが、わが国では都市交通政策を無視し、市場経済における競争原理を強引に持ち込んだことで、国内各都市で乗務員賃金の減少、交通混乱など矛盾を招来するところとなっています。」
形式的なこと
[e001]
連番を振ります。これは、私も社会人になってから覚えましたが、チームでやるなら「Aさんなら[A001]」とかなんでもいいと思いますが立論や反駁で使った時に、元の資料集にたどり着けるように、あった方がいいです。
一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会 最終アクセス日:2019.3.3
これは証拠資料を引用するときに、記載しておかなければならない要件です。
詳しくはルールを参照してください。ネットなのか本なのかなどによっても違います。
全国中学・高校ディベート選手権ルール|ルール|ディベート甲子園|NADE - 全国教室ディベート連盟
前提と内容を切り離さない
この資料、使いたい部分は
・参入条件が大幅に緩和された結果極めて簡便に参入が可能となり、一台あたりの負担コストが激減し誰でも安直に参入できる事業となった結果短期間にタクシー車両は6,087台と大幅な増加となりました。特に、とりあえず10台規模で新規参入した事業者が経営効率向上のため、その後現在まで大幅に増車してきたのが実態であります。
だとしても、この前提になっているのは2002年の規制緩和です。
であれば、
2002年(平成14年)にタクシーの数量規制が廃止され、それまでの諸条件は以下のように大幅に緩和されました。
を資料集の段階で切り離してしまうと、あとで使おうと思った時になんの話か分からなくなってしまいます。よって、ここは長いですが切り離しません。
中略しない
上記の部分を
「2002年(平成14年)にタクシーの数量規制が廃止され、それまでの諸条件は以下のように大幅に緩和されました。(中略)・参入条件が大幅に緩和された結果極めて簡便に参入が可能となり、一台あたりの負担コストが激減し誰でも安直に参入できる事業となった結果短期間にタクシー車両は6,087台と大幅な増加となりました。特に、とりあえず10台規模で新規参入した事業者が経営効率向上のため、その後現在まで大幅に増車してきたのが実態であります。」
とするのはどうでしょうか。正直、こういう資料集よく見ますし、立論に使ったものを資料集にコピペするとこれはよく発生します。
ただ、中略以降の話の前提は下記の部分です。
1.認可制から → 事前届出制
2.最低保持台数の緩和/60台 → 10台に
3.営業所および車庫/所有から → リースに
4.導入車両/新車から → 中古車で可に
なので、資料集の場合はやはり抜かない方が良いでしょう。
このようにしていくと、最初のようなちょっと長い資料集になってしまいます。
資料の前提がわかれば議論も深まる
質疑で「この資料はいつの規制緩和の話をしていますか」と聞かれた時、前提が書いてあれば答えられます。続けて「それはどのような規制緩和でしたか」と聞かれても答えられます。これだけで結構強いです。
そしてさらに深めることができます。「今回の規制緩和と同じですか」などです。今回とどれくらい同じような状況の話なのかわかれば、審判も「まあ100%資料通りとは行かなくてもそんな感じの状況が発生するんだな」とわかります。
文字カウント等で中略した状態で資料集に置いておきたいなら、前提を抜かないバージョンの次に、中略したバージョンの差分をつければいいと思います。
中高生ディベーターの揉めるパターンと対策
論題発表を目前に控え、また地区によっては参加登録締め切りが迫っていますね。
ディベートはシーズンを通して準備する必要がありますから、チームで目標を共有して、そこに向かって走っていきたい訳ですが、これがそう簡単なことではありません。
揉めるときというのは、どちらも自分が正しいと思っているのですから、とりあえず相手の言い分を理解するところから始めましょう。自分が100%折れる必要はないですが、相手が半分折れるなら自分も半分折れるくらいの気持ちは必要です。
揉めるパターン
勝ちたいと思っているかどうか
勝てなくてもいいや、と思っている人は存在します。そういう人は、勝ちたい人にとっては居るだけでイラっとくると思います。でも、この種の人は「楽しくやりたい」とか「高校生らしいことがしたい」と思っている可能性があります。つまり、「勝ちたいと思っている自分がやることは正しい」と思い込み、色々と一人でやってしまって、結果としてチーム全体として楽しくないということが発生しているのかもしれません。誰かの家やファストフード店で準備してみたり、みんなで集まってリンクマップを書いてみたり、お揃いのユニフォームを作ってみたり、楽しむ余地はあるものだと思います。
実力の差・準備の偏り
本をたくさん読める人、立論を作るのが上手い人、反駁を作るのが上手い人、それぞれ違うので、偏りができてきます。そして、たくさん準備をしていて、試合展開を考えている人は、次第に想定通りに議論を回してくれないチームメイトにイラついてきます。これに対する明確な解決策は今の所思いつきません。私も何度もイラつきイラつかれるのを繰り返して今に至ります。こういう時こそ、コーチ、地区のスタッフの出番だと思います。例えば、上手いこと応答してくれない立論者がいたとします。これに二反の議論を作っている実質的なリーダーが何度も怒ると、次第にお互い嫌になってきます。そういう損な役回りは大人に任せてしまうのです。そして、むしろ二反は立論者を励ましたり、答えにくい原因になっているところを一緒に直したりする、というのが理想だと思います。
議論の趣味が合わない
これはお互いが頑張っているが故に起こることです。お互いに考えているから、相手の議論に納得ができない訳です。趣味が合わない、それはもう仕方がないので、「二反が回せるものを選ぶ」「肯定と否定で決めてお互い口を出さない」「練習試合で両方使ってみて、勝率で決める」などが結局は多いと思います。
単純に仲が悪い
普通に嫌い、というのはあります。仲が悪くても決勝戦まで行くチームもあります。仲がいい方が、コミュニケーションを取りやすくていいですが、嫌いなものは仕方がありません。嫌いな人ともそこそこうまくやってください。
大人の役割
とりあえず話を聞く
とりあえず話すがまま、なんでも聞きます。議論の話がしたければその話をしてきますし、全然関係ない話がしたければその話をしてきます。揉め事に関しては中立かつ否定しない、というスタンスが良いかと思います。
熱意に対してあまり口を挟まない
どんな熱意でも、それに応じた学びがあるのがディベートの良いところだと思います。別に「全国大会に出よう」とか「全国優勝しよう」という目標があることが正しいわけではありません。「始めたばかりだから1勝できたらいいな」でも良いわけです。大人が選手の熱意をはるかに超えて、準備はどうしろ議論はどうしろなどと言い始めると、正直うざいです。選手内でさえ揉めることなので、そこに対して明確なメソッドがない限りは選手に合わせる方が良いです。
損な役割を引き受ける
大人が出しゃばる時は、損な役回りを引き受ける時です。要するに、あいつをチームから外せとかなったときに、客観的にジャッジに意見を聞いてみようというに招集されます。
残念ながら私たちも、チーム決めに対して常に正しい判断ができたわけではありません。あの判断は間違いだった、あの大人のせいで負けた、と言われる覚悟は最初からあります。それが慢心が招いたのであれ、無能が招いたのであれ、その覚悟がないのなら、メンバー選抜だけでなく議論へ口を挟まない方がよいでしょう。
とまあ散々若いスタッフを脅してしまいましたが、結局は自分がしてもらったことをしていけばよいと思います。
こういう揉め事をこうやって解決したよ!という方はぜひコメント欄にお願いします。
リンクマップをマインドマップのツールで作ろうとしてみた
リンクマップを簡単に書けるアプリないかなということで比較してみました。
1、Mind Vector
https://www.mindvectorweb.com/
見た目はリンクマップにかなり近い。
日本のサービスではないので、絶妙に漢字変換がうまくできなかったりして心が折れる。
2、XMind
仕事では一番使っているマインドマップ。これはダウンロードして使うやつ。起動はもっさりしてるけど、使い勝手はいい。
こんなの全然リンクマップじゃない。
メリットデメリットが字ちっさ。これはいただけないですね。
3、mind42
戦意喪失。
リンクマップにとって大事なことは何かに気づいた。
- 丸(各ノード)が同じ大きさで書ける
- 書きたい場所に書ける
- 線が自由に引ける
結論。手書きが最高ですね。