不正引用と対策
悲しいことに、不正引用が今シーズンも発生しているようです。
対策
試合終了直後に申し出ができます。ルール改正前は「アピール」と呼ばれていました。
1、ジャッジに声をかける
試合終了後のジャッジは流れで即移動します。タイマーが鳴ったら司会の声を遮って「アピールがあります」でも「反則の申し出があります」でもいいのでとにかく発声しましょう。「すみません!」とか「あのおおお!!!」とかでもいいです。たぶん。
細則A第1条 次の行為があったときは反則として,悪質な場合,審判団の判断でその試合を敗戦にすることがあります。4号 審判や相手チームから証拠資料の提出が求められた際,これに応じないとき。5号 証拠資料を捏造(ねつぞう)して使用したとき。6号 証拠資料として元の文章を改変したものを引用したり,元の文意を変えるような不適切な省略をしたとき。第2条 前条各号の反則行為があったと考えられる場合,出場選手は試合中あるいは肯定側第2 反駁直後に審判に申し出ることができます。その際は,相手チームのどの行為が、どの反則行為に該当するのかを明示しなければなりません。
2、どんな反則があったのか話す
不正引用の場合該当するのは主に細則Bの第6条です。
細則B
第6条 証拠資料を引用する際には,原典の文面をそのまま引用しなければなりません。中略する場合は,元の文意を損なわない範囲で行わなければなりません。また,中略を行ったことを引用中に明示しなければなりません。
相手の資料を自分たちも持っている場合は、具体的にどの部分をが文意を損なっているか説明します。
持っていない場合でも、試合中に資料請求をするなどして不正であることが明確な場合には、「文中中略を行なっている部分で文意を損なっているので、相手の資料を確認して無効か反則にしてほしい」とは言えるでしょう。
審判には選手に資料請求でき、選手はこれを提出しなくてはならないと定められているので、相手の資料を持っていなくても、基本的にアピールがあった以上相手選手に資料提出を求めるます。
細則B
第9条 審判あるいは相手チームから,それまでに引用した証拠資料の提出を求められた場合,各チームは証拠資料を提出しなくてはなりません。
効果
基本的にはその試合でその資料が読まれなかったこと(無効)になります。
細則B
第7条 前項までに定める要件が満たされない場合には,引用された証拠資料の信憑性は低く評価され,あるいは証拠資料として引用されなかったものと判断されます。
本当に反則であれば、細則Cの第3条によって試合の失格や大会の敗戦になりますが、はっきり言ってこれは望み薄です。また、個々のジャッジの判断ではなく、主催者の判断というところから、資料の無効化とは全く性質の違うものです。
細則C
第3条 第1条各号の行為のほか,大会要綱に従い,主催者の判断でその試合の敗戦または大会の失格にすることがあります。
公式ルールと過去の通達
ルール
http://nade.jp/koshien/rule/index
通達
http://nade.jp/koshien/rule/notice
Twitter上で見かけた疑問等
アピールはジャッジに嫌がられるんじゃないか
正直言うと嫌です。でも、不正引用はもっと嫌です。たった10分くらいしかない検討時間で資料の真偽を確認する手間が増える訳ですからね。講評でもそれについて触れずには終われません。しかし、不正引用を見過ごして判断する方が圧倒的に嫌です。
もし嫌そうにされているとすれば、別にアピールをされなくてもその論点はそもそも伸びていないとか、投票理由にならないとか、そもそも真偽を判断できるほど根拠になっていない資料のときです。
(アピールの乱用は大会を混乱させるのでやめましょう。あくまで不正引用を排する目的で使ってください)
不正引用は多すぎて何がなんやら
そうですね。そのためにそもそも前略、文中中略、後略はすべきでないと思います。
でも不正引用に対する怒りを忘れないようにしないと、自分も不正引用していいような気分になってくるからやっぱりダメです。
不正引用しても勝てるチャンスあるならやっちゃうかも
不正引用をしたらからといって敗戦にまではならないと高を括っているのかもしれませんが、負けにはならなくても、ほぼ名指し状態で公式から通達を出されたことがあります。(2014年11月19日通達http://nade.jp/files/uploads/evidence2014.pdf)
いい思い出にできないし、させないです。不正引用は重大なルール違反です。そんな不名誉で後味の悪い勝ちはやめましょう。
補足
語気が強すぎたので補足すると、「わざとじゃなくても結果としてそうなってしまった場合どうしよう」というのは、分かった時点で直してください。そういう不正引用に対する恐れを常に持っているだけで全然違います。この記事はその注意喚起と、悪意のある不正引用に対する対策です。
一応そういう話を書いたことがあるので、どうすればいいか分からない人は読んでみてください。